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レンリン以外は生きる気力です!!     現在進行形でからくり卍ばーすと中心に       頭の中が溶けていますので        ご利用にはご注意くださいwww
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少し気持ちが収まったら
・・・もう少し文章足していこうと思います。

今はまだ気持ちが高ぶって
歌を聴いているだけで涙が止まらなくて
冷静に文章書けてる自信がないですが
コレ書き終わらないと・・・
あたしが不安定のまま転がりそうでして。。。


これにて、最終回になります!!!
今度はもっと明るい話がいいなぁ。。。ね?

ごめんね?ダークネス系大好きなんで。。。
精神がすぐにそっちに引っ張られちゃう///


所詮人は、不安定な中で確定のない
現実を求めて理想として作り上げていくから

誰かに向ける切ない思いの詰まったことに触れると魅せられてしまうんですよ・・・。

拍手


***






あの子に笑顔を・・・





【紙飛行機が飛んだ、そら。6】






彼の青い髪が午後の風に靡く。

どこか穏やかにならない気持ちのまま
カイトはとある部屋へと向かった。。。

開け放たれたドアを2回ノックをして中を覗き込む


「りんちゃん。忘れ物は・・・ないかな?」
「・・・。」


綺麗に服を着飾ってもらった彼女は
黙って人形を抱きしめていた。
彼はゆっくりと目の前に座ると
その人形を見つめて


「・・・それ、ミクからもらったの?」
「・・・うん、おねえちゃんがくれたの」


そう言えば、彼が部屋に来る前に
泣きながら部屋から出ていく彼女を見た。



「そうっか・・・
 それは“ミク”の大事な人形だからね?」



だから、大事にしてあげてね?っと
彼はリンの頭をゆっくりと撫でてやる
それを、彼女は不思議そうに見上げながら




「・・・おにいちゃんも優しいのね
 “私”の知ってる人なの??」




深い深い緑色の瞳は・・・
ここに来たときと同じ、瞳だった。

色のない
冷めた

瞳。








「コレ、お姉ちゃんに返してあげて」
「え?・・・でも。」

「いらない。
 私、また忘れちゃうから。」

だから、この子が可哀想。そう言ってベットの上に
ミクからもらった人形を置き去りにする。。。



「今度は、どこに行くのかな?」



・・・もう、忘れてしまったんだね?
あんなに泣き続けた思いも、今はないんだね?

その方がいいのかも知れない。
その方が幸せかもしれない。

・・・きっと、そうだよね?














そう、思う込んで彼女の小さな荷物を持って

「さぁ、行こう。
 車が下に来ているから・・・」

そう言って彼女の手を引いた
昨日と違って何の抵抗もなく、彼女は一緒に歩き出した。






澄んだ空が眩しくて
手をかざし指の間に・・・何かが飛んでいく。

アレは何だろう?

鳥だろうか?

いや、あれは・・・?



「・・・すみません。」



不意に声をかけられて、リンを車に乗せる前に立ち止まる。
そこに立っていたのは見知らぬ女性で
・・・どこか言いにくそうに口ごもっている


「何か?」
「・・・彼女に。」

「リン、ちゃんに?」


カイトは、思わず視線を向けてみるが・・・
彼女はまったく興味すらないらしく
青い、空をじっと眺めていた



「私はこの近くの刑務所で囚人達の
 見張りをしている、メイコといいます」



そう言って身分証明のような顔写真つきの手帳を見せた。

確かに・・・疑うことなく
その人の空気はキリリとしていて
監修といわれればそう納得してしまう。


「その子・・・ずっと、刑務所に来てませんでしたか?」
「え?」

「紙ひこうきを・・・飛ばしていましたよね?」
「!!」


それは、質問ではない。
確実に確信だった。

思わず彼カイトは・・・リンを背後に隠す。
刑務所のルールを犯した彼女に罰を与えに来た。

そう、思ったからだ。



「だったら・・・なんだって、言うんです?」



その声は威嚇に近かった。
リンをギュッと抱えて、監修を睨みつける。
すると、彼女は苦笑いをするように・・・僅かに空気が緩ませて


「どうか、安心してください。
 別に・・・彼女に何かしようとは思っていません。」
「・・・え?」

「彼女が紙ひこうきを飛ばしていた囚人の
 刑は昨日執行されましたので・・・」
「そう、ですか。」


その話を聞いて、リンを見る。
しかし・・・彼女には一体誰の話をしているのか
まったく解らないようで不思議そうに見つめ返してきた


「では。。。今日は一体?」


すると、メイコという監修は徐に古びた箱を差し出した。


「あの子の唯一の遺品です。
 本来でしたら囚人の持ち物は
 遺体と一緒に火葬するんですが・・・

 きっと、彼女に持っていてもらったほうが」


あの子も喜ぶと思うんです。。。と言ってその箱をリンへと差し出す
不思議そうな面持ちでリンは彼女を見上げていたが
ゆっくりその箱を受け取った

「いいん、ですか?」
「いや、いけないことでしょうね?」

さらっと笑いながら
恐ろしいことを言ってのける。

「えぇ!!」
「いいんです、これくらい
 ・・・してやりたいんです。」

女性なのにどこか男らしいその笑みで
そう言って彼女はリンを見つめた。




どこか寂しげに
どこか悲しげに




「あの子によく似ているわ。」
「・・・え?」


すると、彼女は悲しそうに笑ってから
思い出すように、1つ1つ話始めた。


「彼女は紙ひこうきを飛ばしていた囚人・・・
 私が目にかけていた子なんです。

 入ってきたときは無愛想で・・・ほんと、どうしようもない子でした。」


彼女が語るその囚人はリンと同じ年の男の子で
世界に拒絶され続けて・・・
どこにも居場所のない少年だった。



「でも、彼女と出会って・・・あの子本当に嬉しそうに話すんです。
 毎日、毎日飛んでくる紙ひこうきを嬉しそうに・・・話すんですよ?」



うっすらと彼女の目に涙が浮かぶ
ゆっくりと、拭いながらそれでも彼女は話続けた




「だから、辞めさせられなかった・・・
 本当はいけない事だと解っていたのに」




誰の記憶にも残れない少年と
誰の記憶も残せない少女と

まるで、同じ境遇の2人は

言葉を交わすことなく
惹かれあってしまったんだね?




「彼女からの手紙は一緒に火葬してやろうと思っています
 あの子も、持っていきたいでしょうから。。。だから。」




柔らかく穏やかな風が包みこむように吹き抜けていく
まるで、その先で・・・誰かが呼んでいるかのように



「もらってやってください、レンの為にも・・・」
「・・・ぇん?」



小さなその声が響く。


「・・・りんちゃ、ん?」
「そっか。あの人・・・レンって言うんだ。」


古びた箱をしっかりと握り締めて
彼女はその瞳からしずくの様な涙が零れ落ちる




「名前、今度は呼べるね?」


小さな箱を大切そうに
握り締めているこの少女に。

あぁ、なんて言えばいいんだろう?
なんて言葉をかけてやればいいんだろう?

もう彼は居ないんだよ?
もう彼に会うことはできないんだよ?

ごめんね?
ごめんね?

あぁ、こんな思いをさせるのなら
一度だけでもいいから・・・話をさせてやれば良かった。



ごめんね
無力で?

ごめんね?
ごめんね。




あぁ。。。




あふれる涙は収まらなくて
声を喉の奥で押しつぶすので必死だった。

すると・・・
メイコはゆっくりと動き
リンと同じ目の高さにあわせると


















「・・・あの子に笑顔を、ありがとう。」



















少年は柵越しに、恋をしました。
決して、叶うことのない願いでした。

少女もまた柵越しに、恋をしました。
決して、叶うことのない祈りでした。


生きていく世界が違っていても
お互いに手を伸ばして



必死で伸ばして



何も残らない、恋でした。
何も残せない、恋でした。

それでも。。。

風に揺れる彼の愛した小さな花は
ただ・・・穏やかに笑ってみせてくれました。


【end】
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