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「ゲームでもしようか?」
不意に、つぶやいた一言。
ただ、君の興味を煽るための言葉。
「どんな、ですか?」
向けられる視線。
それを受け取りにこりと返す。
どうして
こんなことばかり
「ただの、恋愛ごっこだよ」
繰り返すんだろう?
【終わらない遊戯】
差し出されたコップの横目で見ながら
作ってくれたバーテンさんに笑って見せる。
しかし、彼は相変わらず無表情。
この人の変わった顔など一度も見たことが無い
やっぱり好きな人の前ではもう少し表情が緩むのかしら?と思いながら
ラムコークを一口、口にする。
すると、お店のドアが荒々しく音を立てる
おもむろに視線を向ける
記憶にある名前をあげようよした時に向こうの方が気がついた
「リン!
どういう事だよ!」
彼は私を見つけるなら凄い勢いで詰め寄ってきた
どういうこと?とはどういう意味なのか解らず・・・
「何のことですか?」
と聞き返す。
すると、彼の怒りをあおったらしく
彼はますます声を荒げた。
「別れるって!なんでそんなこといきなり!!!」
あぁ、確かここに来る
数時間前にメールを出したのを思い出した。
なるほど。それでこんなに怒ってるのか。。。
っと、初めて私は理解した
そして、理解した上で
「それがどうしたの?」
彼に問いかけた。
「どう・・・って?
なんでいきなりこんなメールで終われるかよ!!
理由を言えよ!理由を!!」
「・・・理由?」
考えなくても解りそうな答えをどうやら彼は望んでるらしく
他のお客さんのこともある
バーテンさんことマスターさんは何も言ってこないけど
これ以上迷惑をかけるわけにもいかない
「飽きたの。
あなたじゃやっぱり満足できなかったわ。。。それだけ。」
そう告げ、私はカウンターから立つことにした。
「オイ・・・っ、待てよ!!」
お会計を払おうと鞄を開けようした腕を
彼は力任せに自分の方へ引き寄せるかるから
私の重心は不安定になり足がもつれ、倒れかかった
自分でも咄嗟に痛みに耐えようとして目を閉じたが・・・
痛みはなく、むしろ背中を誰かが支えてくれた。
彼かと思ったが・・・
彼にそんなことをする余裕はないだろう
・・・っとなると、私に一人しか思い浮かばなかった。
「人の妹を手荒に扱わないでもらいたいんだけど?」
私を支えるように背後に立っていたのは
私の実の兄その人だった。
「お兄ちゃん。。。」
「連絡してもいつまでも戻ってこないから
心配して向かいに来たんだけど?」
大丈夫?と体制を直しやすように支えてくれる・・・
あぁ、やはりこの人だ。
私は思わずマスターに目を向けると
彼は相変わらず無表情のように見えるが
・・・こっそり笑っていることを知っている。
「やっぱり、そいつなのかよ・・・」
忘れていた彼が押し殺すようにつぶやいた。
思い出したかのように彼に目を向けると
相変わらず怒りに震えていた
「お前ら可笑しいって!!
兄妹だろう!血の繋がった、なのになんで!!
・・・・・・っ、あぁぁぁっぁぁ気持ち悪い!!」
彼は子供の癇癪の叫んだ。
けれど、彼に何を言われようが痛くも痒くもない。
しかし・・・耳障りなのは明確だった
「あなたのそういうところが“つまらない”の」
そう言って私はお店を後にした。
何か言おうと彼がしていたが
聞こえないふりを決め込んだ
最初からわかっていた、ゲームだった。
店の前にある車の前で足を止めていた
暫く睨むようにその助手席を身見つめていると
「早く乗りな。」
そう言って後ろから声をかけてきたのは、お兄ちゃん。
当たり前のように助手席のドアを開けるから
仕方なく私はそこへ乗ることにした。
お兄ちゃんがドアを閉めると
車に残る香水の香りが鼻を突く。。。
「どうかした?」
運転手席に乗ると
不快そうな私を見て兄が声をかけてくる。
「・・・お兄ちゃん、香水変えた?」
「や、変えてないけど・・・なんで?」
「違う香水のにおいがする。」
「・・・あぁ、それでか?」
不意にくすくすと可笑しそうに笑う兄に視線を向けると
兄もその視線を返してくる
「凛、機嫌の悪い理由。」
あぁ、そういうことね?と笑いながら
兄は何の躊躇いもなく車の窓を全開に開けると
車を発進させた
頬に当たる風はまだ夏の熱気を含み
昼間のけだるいほどに暑さを感じる
早く、涼しい夜が恋しいのに
そう思って窓から顔を出す。
すると。
猫の首をつかむように襟首を掴まれ
窓の中へと引き戻される。
「子供じゃないんだから、窓から顔出さない。」
「そんな風に、子供扱いしないでよ。」
頬を膨らませて兄を睨むが
一度こちらに視線を向けてはくれるが
相変わらずくすくすと笑っては
「凛は、子供だよ。いつまで経っても」
そう言って兄は、いつものように笑う。
兄はいつも素知らぬ顔。
でも、いつだって私の様子を監視していた。
ある一定の距離保つだけの、兄妹ごっこ
ある範囲だけを許可された、恋愛ごっこ
血縁者と他人とが絡み合う
よくある昼ドラのようなごっこあそび。
それを持ちかけてきたのは、この人。
どう転んで誰かが傷つくだけの、遊びは
最終手時には距離の介入を許した時点で
ルールー上の負けになる。
なんとも気疲れするゲーム。
それでも私はこのゲーム上に居ないと、いけない。
すると、開けていた窓が突然閉められる。
驚いて目を兄へと向けると
・・・相変わらずの笑みを浮かべたまま
「可愛い子猫が逃げないように、しておかないとね?」
そう言えば、窓の外の景色はいつの間に変わっていた。
家に向かうはずの車の行方は・・・どこか知らない。
逃げられない。
逃げられない。
どこへ行こうと
だれと居ようと
私は、何度でも
あなたの腕の中へと戻ってしまう。
逃れられないように
終わらないゲームを
いつまでもいつまでも繰り返す。
あの小雨の降る中で
差し出された傘の中
あなたの横顔が歪んで見えた
あの時、あなたは
怒っていたの?
それとも・・・
泣いていたの?
ただ、好きと言えたら
ただ、好きと言ってくれたら
私はいつでも喜んであなたと一緒に、遠くにゆけるのに・・・
こうやって、今日もあなたが作ったゲームの上で
私たちはいつまでも踊り続けるしかない
【end】
ただの、遊戯でしかないのです。。。
遊戯はゲームって読んでくださいね?
ちょっと後日話みたいなのがあるけど・・・
話がほぐれなくなるので辞めてみた(笑)
もう少し考えてお話が書けるようになりたいです。。ね?