【ココロ・ネガイ】

そんなに長くないほうから書こうと思いました。（笑）

ココロシリーズパロになります。。。
しかし、このお話では
奇跡のロボットはレン君のほうになり
孤独な科学者がリンちゃんになっておりますので
あらかじめご了承ください。

※注意※
ココロシリーズを汚されたくないわ！！
そんなの邪道だ！！と思われる方は

しっかり、見なかったフリを決め込んでください。。。

主のいない部屋は暗闇で
いつもそこにあるはずのぬくもりが無い机は
彼の愛用のパソコンが静かに起動を待っていた。


もう、二度と戻るはずもない・・・彼を。。。





【ココロ・ネガイ】





私と彼は双子の姉弟。と言っても・・・
本当はどっちが先に生まれたのか解らない。

私達は生まれてすぐ母親が、この世からいなくなった

だから、父親の存在も知らなければ
それ以上の両親の素性も知らない
本当はあったはずであろうぬくもりを


・・・私達は、何一つ知ることは無かった。


だから、いつも私と彼と一緒だった

どんなときも
何をするにも

彼とは一緒だった。
私は彼より若干わがままで少々彼を困らせる事が多かった
それは、施設を出て2人で暮らせるようになってからも変わらなくて・・・

何をするのも一緒だった。。。
私は、わがままだった。。。



けれど・・・彼は、私よりも頭がよかった。

周囲からは「天才」と言われるほど頭が良く
大学へ行くのも特待の補助金制度で通えるほど
残念ながら同じ双子でも私の方は大して頭は良くなく
・・・むしろ、いつも赤点ギリギリレベル。

だから、大学へ通う彼の日常の世話をしてあげることで
2人のだけの共同生活を続けていられた。



私は、それでよかった。
それだけで、よかった。

きっと、それ以上は望んではいけなかったんだ。



この日々が永遠に続けに良いなんて・・・
彼にしたら、どれだけ迷惑な話だったんだろう。。。

私がわがままだったから
もっと、彼のことを考えていれば

もっと。
もっと。。





あの日の、鳴り響いた携帯が全てを変えてしまった。。。



「・・・はい？鏡音です、あぁ教授？」

それは、一緒に夕飯の準備をしている時だった
携帯を肩口に当てながら器用にジャガイモの皮をむき続ける彼を
私はそんな様子を伺いながら終始手の作業が止めていていた。
すると、それに気がついた彼が苦笑いをして

『ごめん』

と口パクで、謝りながら
きれいにジャガイモの皮をむき終えと、その場から少し離れる

違うことをしながらこんなにきれいに皮むきができるなんて
・・・神様は私達の作り方を間違えているわ。そう、心底思う


「はい・・・じゃぁ、今そっちに行きますね
　はい。はい・・・えっと、あぁ解りました。」


それでは、また。と言って彼は携帯を切ると
ものすっごく申し訳なさそうな顔をして・・・
彼は私の様子を伺ってきた


「・・・あのね、リン？」
「行ってくれば～ぁ」

「・・・いいの？」
「教授が呼んでるんでしょ・・・解ってるわよ。」


解ってる。
彼が、今のプロジェクトにどれだけ必要とされているのか
・・・本当だったら、研究のみんなと寝食ともにして
大学の研究にいそしまなきゃいけない事は私だって重々理解している





　　　けど。。。





「・・・ごめんね？すぐに戻ってくるから
　あ！！何かお土産買ってくるから！！！ね？」
「・・・。」








　　　本当は、そんなのいらないんだよ？








「じゃぁ、駅前の・・・いつものケーキ屋さん」
「反対ジャン。。。」

「嫌なら結構ですぅ」
「あぁあ！！解った、解りました！！
　いつものケーキ屋さんね？オレンジタルト？」


私は、わがままで欲張りで
彼にいつも甘やかされて・・・


「ねぇ、雨降りそうだよ？」
「あ。ホントだ・・・やばい。。。　傘、研究所だ」

すでに降り出しそうな空を見ながら
彼が呟くから・・・私はお気に入り自分の傘を彼に差し出した


「・・・早く、帰ってきてね？」


彼は、傘を受け取りながら
当たり前だろう？と言う顔で


「仰せのままに。。。」


そう言って、いつもの笑顔を私にくれた
パタン。っと静かに閉まるドアを見つめたまま
・・・私は暫し、動けないままだった。

本当は言いたかったんだ。


























ずっと、一緒に居たかっただけなのに。。。

【next】
へたれないでよ！！（笑）
うっかり書き途中でアップしちゃった。。。
仕事前に書くといつももやってしまうが・・・誰も気づいてないかな？？（苦笑）