【悪質な、いじわる。】

欲しいものがあった、ソレは世界を敵に回しても手に入れたかった。
欲しいものがあった、ソレは世界を壊してでも手に入れたかった。



しんりょの悪ノ設定。（笑）
どっちがどっちか解ったらすごい人。



悪質召使さん×王女たま

**悪ノシリーズの世界感が好きな方には
イメージを著しく崩す恐れがありますのでお控えくださいｖ
それでもおｋさんのみお願いします（ペコ）

***

コロンと音がする。


【悪質な、いじわる。】


意味の解らない書類に目を通していると
部屋の中に、その音が響く。
ホンの僅かに聞こえるその音の原拠を
私はゆっくりと視線で探した。。。
昼下がりの穏やかな時間
でも・・・3時のおやつにはまだ早いそんな時間。

漂うように音の原拠を探すと
ある一人の存在にぶつかる。。。
私は徐にその名前を呼んでみた


「・・・ねぇ」
「はい？」


なんですか？と驚いたそぶりもなく向けれるしせん。
私は自分の方へと手招く
首をかしげながらこつこつと歩み寄ってきて
何か？と隣へやってくると私と同じ顔をゆっくりと近づけた
私は、暫その顔を眺め。。。





「口を、開けなさい。」





そう、命令した。
途端、私と同じ顔をした召使は
目を他所へと向ける


「やっぱり何か食べてるのね！！！！」
「・・・食べてると言うよりは。。。
　舐めて・・・「御託はいいから私にもよこしなさい！」


キーキーと声を上げると
私と同じ顔が困ったように笑う
けど、気にしない！コレは私じゃないから。。。


「残念ですが、最後の一個です。。。」
「まぁーずるいわ！！
　私の分を持ってこないなんて！」


それでも私の召使なの？とワザと困らせるように
頬を膨らませて、書類を放置してやる！っと蹴散らした。
すると、くすくす笑う声が頭の上から聞こえてくる

どうせ、子供扱いするんでしょう？
そう、貴方と比べれば
私は幾分も子供なのかもしれない
たとえ、同じ顔をしていても
私と貴方はまるで、別モノ扱い
入れ替わったって誰も気づかないくせに。。。



私達を別モノにしたくせに
所詮は、どっちでも良かったくせに

どうせ欲しいのは、お飾りのお人形さま。




昼下がりの暖かな風が
憂鬱に拍車をかける
穏やかな平和。なんて滑稽でしかない
そんなものどこにもないの
そう、どこにもある筈ないの









そんなもの
与えてなんて
やるものですか










「王女はそんなに口寂しいんですか？」

トントンと私が蹴散らした書類を
その手は丁寧にまとめ元へ戻してゆく
私は、その声ではたりと我に返る


「・・・寂しいってよりは・・・！！」


静かに蠢く蟠りを落ち着けたくて
私はゆっくりと息を吐き、顔を上げた。





すると、ガリッと音が響く。

何故だろう？

私が座ってるせいだからか？
その目は深く底が見えなくて
私と同じ顔を筈なのに
その顔は私よりも品よく

そして、意地悪そうに見えた。





　　　あぁ、なんて悪質なのかしら？





コロンと音がした。

あれ？こんなに小さな音だっただろうか？
さっきまではあんなに気になるほどだったのに？？
ゆっくりと影が去ると同時に口の中には無かったはずの
飴の欠片が半分存在している。
コロコロ転がしてみてもその甘さを堪能してみる


「コレで少しは口寂しさ紛らわせてくださいね？」


そう言って、親指で私の唇を撫でててゆき
「それでは、王女様」と言葉を残して部屋を出てゆく




また独り残された部屋に置き去りにされ
しぶしぶ蹴散らした書類の一部をまた手にとり
ため息をこぼした。


「何よ、余計に寂しくなったじゃない。。。」


そう呟くと、飴が歯にあたり
コロンと音を立てた。

そして気がつく
悪質な、あの意地悪そうな顔を。。。




















3時のおやつの時間に憶えてなさい。
仕返ししてやるんだから・・・。
（そして、悪質な仕返しの仕返しが待っている。）

【end】
れっつ☆にゃんにゃん！！！ん？？