【はつこいびと。２】

マセ×リンちゃん。

***


「鏡音さん」

元気に朝一番にその声が響いて頭が余計に痛くなった。



【はつこいびと。２】



校門の前でタイミングよく鉢合わせしてしまい

「おはようｖ」
「・・・おはようございます。」

深くお辞儀をした。

「なんで、敬語？
　・・・顔色悪いけど・・・どーした？」

徐に深くお辞儀路している中顔を覗き込まれる。
あぁ、相変われず綺麗な顔だなぁ。。。なんて思っていたが
そこが校門前だったことを思う出して急いで頭を起こす

・・・けど、眠いのは変わらない
頭もくらくらするし、最悪だ。

後ろに傾く重心を彼が腕をどうにか引き戻してくれる

「・・・で？どうしたの？」
「ん？夜中ずっとケイタイなりっぱなしで。。。」

「ソレで、寝れなかったの？
　電源切ればいいじゃん・・・」
「ソレがかけてくれてる人に悪いでしょ。。。」

そっか。と一言呟いてから
少し考え込んで

「ケイタイ・・・出たの？」
「ううん。。恐いから、出てない。」

こういう時の女子の恐さは少なからず理解しているつもりで
私はその問題のケイタイを彼に差し出す


「？」
「いや、お返しします。」

「はい、かしこまりました。」


そう言ってニコニコ笑いながらケイタイを受け取ると
その笑みの理由が解らなかったが
・・・その後ろの方から


「鏡音、校門前でなにしてんの？」


朝早くから何事？と話しかけてくるのは・・・確か？

「あ、ミクオ」

あ、そうそう、確かクラスに居た。
初音君だったかな？
いつも後ろの方の席で寝てる子だ。


「・・・朝の校門の前で視線の的だけど、楽しい？」


そこで２人が漸くその事実に気がついて
慌てて手を放された。。。

「・・・取り合えず、歩こうか？」

校舎へと流れる人たちの間に流れる
隠れるようにこそこそ歩き出すが・・・
何故か歩調を合わせられて、３人一緒に校舎へと進むから

・・・ものすっごく、違和感のように（私が）目立つ。
距離を作ろうと歩調を変えても
何の迷いもなく綺麗にあわせてくる。


「・・・で、何で鏡音さんと一緒にいたワケ？」

「ん？聞いて驚け！
　お付き合いはじめました。」
「・・・え？」


何のことですか？と思わず隣の彼を見ると・・・
逆に驚いた私を驚いた顔で見下ろしている。。。
ソレが、可愛い顔だから尚更腹が立つ！！


「あ～なんだ？・・・・・・鏡音さんが驚いたよ？」


よかったね？初音君はぽんぽんと彼の肩を叩く
・・・たぶん、哀れんでる。それか、眠いだけのような気がする

「だって、ケータイ返したじゃん！」
「返して、何でソレがそうなるんですか！」

「・・・だって、俺鏡音さんに信用されてないから！！
　信用と信頼と親睦の・・・ため？」

かな？っと隣の初音君に問いかけるが
「俺に聞かないでください」と逆に拒絶される


「ひでぇ。ミクオが俺を見捨てた。。。
　・・・後で、ミク姉に言いつけてやんよ☆」
「・・・非常に辞めてください。」


そんな当たり前の良くある高校生男子の
やり取りを見ている中で彼は初音君と仲がいいことを始めて知った。
結構、温度差と距離のある２人だから話すことなど
無いなんて勝手に思い込んでいた。。。


「あ。鏡音さん」
「？」

「アドレス頂戴」
「・・・。」

「暫くは、お試し期間でいいからさ」


そう、言われ暫く考えてから
カバンからケイタイを取り出した。

慣れない赤外線交換で手間をかけたけど
その間も嬉しそうに笑うのを見ていたら


「じゃぁ、よろしくね？」
「・・・はぁ。」


チョット世界が近いんだと、気がついた。

【next】
えと。。。マセじゃなくてキモでイイような気がしてきた。。。(￣へ￣|||)